佐藤安律の「ニュースサイト1045」
元産経新聞記者で「炎のジャーナリスト」が、政治全般と映画(主に日本映画)を中心にマイオピニオンを発信します。あるべきブログの姿をめざして順次内容を刷新しています。2017年6月27日付で「佐藤安律の『映画と政治のブログ』」から名称を変更しました。
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北朝鮮はトランプ米政権の太陽政策を生かせるか 米朝首脳会談終わる
 世界中が注目したトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長によるシンガポールでの史上初の米朝首脳会談が終わった。終了後の記者会見で、トランプ大統領は「歴史的成果だ」と強調したが、両首脳が署名した共同声明には、北朝鮮の非核化の期限や具体的な検証方法などは盛り込まれておらず、米メディアや野党・民主党では会談への厳しい評価が目立つ。

 私もトランプ大統領の記者会見をテレビで見て、予想以上に内容がなく、直後は失望を禁じ得なかった。しかし、両首脳が意思疎通できる関係になったとすれば、これは大きな意味がある。非インテリで衝動的なところが欠点とされるトランプ大統領だが、これまでの交渉で、金委員長の非核化の決意が本物だと判断したのならば、情報もない外部からどうこう言っても仕方がなく、今の段階では、実際に非核化が進展するのか見守るしかない。

 過去の経緯から、私も北朝鮮は全く信用していないが、金委員長が核開発と経済発展を同時に進める「並進路線」を見直し、経済に集中しようとしているところは注目したい。この点、金委員長は賢明な判断のできる指導者なのかもしれないと思わせる。シンガポールは、北朝鮮が目指すべき理想の国家ともいわれる。短い時間だったが、金委員長がシンガポールを訪れ、その開放感と発展ぶりに感銘を受け、経済優先路線を推進する決意を新たにしたことを期待したい。

 しかし、日本政府は拉致問題が解決しない限り、国交正常化も経済協力もしないとの北朝鮮に対するスタンスを微動だにすべきでない。

新作星取表2018-8
【日本映画】
「のみとり侍」★★
「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」★★★★
「友罪」★★★★
「50回目のファーストキス」★★★
「恋は雨上がりのように」★★★★★

【外国映画】
「私はあなたの二グロではない」(米=仏=ベルギー=スイス)★★★
「ゲティ家の身代金」(米)★★


【採点基準】
★★★★★  90点~100点
★★★★    80点~89点
★★★     60点~79点
★★       40点~59点
★         0点~39点


 「恋は雨上がりのように」は、テレビアニメにもなった眉月じゅんの人気漫画の実写映画化。主人公で陸上短距離の花形選手の女子高生・あきら(小松菜奈)はアキレス腱断裂の大けがにより、陸上を続けていく意欲をすっかり失っている。そんなときに、ファミレスでアルバイトを始め、45歳でバツイチのさえない店長の近藤(大泉洋)と出会い、片思いを寄せるようになる。

 想像すらできなかった女子高生からの告白を受けて戸惑う近藤と、告白は本気だと宣言するあきらの恋模様、近藤があきらの再起を応援していく様子を、力むことなく、すがすがしく描いてみせた。小松、大泉がともに好演し、ストーリーのまとまりがよく、内容的にも引き締まっていて、予想外の素晴らしい出来だった。監督は永井聡。昨年公開の「帝一の國」と今回の作品の2本を観て、永井の実力はなかなかのものだと感心する。採点は少し甘いが、サプライズがあったため、★を1つ追加した。

 山田洋次監督の「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」は、3世代が同居して暮らす平田家で、一家の中心として日々の家事をこなす長男の嫁、史枝(夏川結衣)に焦点を当てた。

 史枝は2階で掃除中、つい短時間昼寝してしまい、その間に泥棒に入られる。被害は冷蔵庫に隠していた史枝のへそくりだけだった。平田家の長男で、夫の会社員、幸之助(西村まさ彦)は、自分に黙ってへそくりをためていたことが我慢できず、史枝の内助の功を一切認めないかのような暴言をはく。史枝は家を出ていき、一家はそのありがたみを改めて知る。

 すでに定年退職し、悠々自適の生活を送る周造と富子の夫妻(橋爪功、吉行和子)を中心に、同居する長男夫婦(西村、夏川)、近くに住む税理士の長女夫婦(中嶋朋子、林家正蔵)、ピアノ調律師と看護師の仕事をそれぞれ持つ次男夫婦(妻夫木聡、蒼井優)のアンサンブルが売り物の「家族はつらいよ」シリーズ。たわいのない話を、ここまで面白く、満足度の高い作品に仕上げてくるのはさすがだ。家族をテーマに、喜劇を描かせると他の追随を許さない山田洋次に、このシリーズを1本でも多く撮ってほしい。



米朝首脳会談予定通り今月12日に 北朝鮮非核化2020年の線は譲るな
 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の史上初の米朝首脳会談が当初の予定通り、今月12日にシンガポールで開催されることになった。

 訪米した北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が1日、ホワイトハウスで、トランプ大統領と会談し、金委員長による大統領宛ての書簡を手渡した。この後、トランプ大統領は記者団に米朝首脳会談の開催を明言した。書簡の具体的内容については明らかにしなかった。

 トランプ大統領は先月24日、米朝首脳会談の中止を表明。北朝鮮は対米強硬姿勢を再開するかと思われだが、米朝首脳会談開催の必要性を訴え、中止を表明したトランプ大統領も直後から会談実現再調整に積極的に動き、予想外の展開をみせた。

 北朝鮮への国際社会の制裁は効いており、予測不能なトランプ政権を恐れる北朝鮮が、この機会にどうしても難局打開を図りたいと考えていること、トランプ大統領も史上初の米朝首脳会談を実現したという実績を強く望んでいることが浮き彫りになった。

 朝鮮戦争終結については進展があるかもしれないが、北朝鮮非核化の進め方を巡っては、そう簡単に溝は埋まらないとの見方が多い。トランプ大統領も記者団に「会談で何かに署名することはないだろう」と述べており、米朝首脳会談が複数回に及ぶ可能性を示唆した。

 まずはトランプ大統領と金委員長が会わないと何も始まらないということも確かだろうが、中止表明直後から、米朝首脳会談をやりたくて仕方がないとの姿勢をみせたトランプ大統領に対しては、やはり11月の中間選挙、再選を目指す2020年の米大統領選に向けての実績づくりに前のめりになっている懸念を拭えない。

 北朝鮮の非核化実現の目途について、米大統領選が行われる2020年をゴールとする線だけは絶対に譲るべきでない。

体育会人間は本当に企業で活躍するのか
 日大アメフト問題は、選手に悪質タックルを指示したとされる前監督と前コーチが事実上アメフト界から永久追放されることが決まるなど、拡大の一途をたどっている。大学スポーツ界のあり方や体育会の体質も広く議論されている。

 この問題が起きる前だったと記憶しているのだが、ある新聞に、体育会人間は企業に期待され、入社後もよく活躍するといった趣旨のコラムのような記事が掲載されていた。データが示されているわけではなく、その筆者のもっぱら主観的なものだった。

 一般的にそういうイメージを持っている人は少なくないと思うが、果たしてそうだろうか。私が企業に勤務した経験は約21年間で、すべて新聞社。新聞社は特殊なところがあるので、民間企業全般にすっぽりあてはまるかはわからないが、私の経験では、上記の筆者の見解とは少し違う。

 まず、入社試験の段階で、大学の体育会出身者が企業側に好まれることは確かだと思う。やはり、4年間、1つのスポーツに打ち込み、それを継続した根性、しっかりした上下関係のもとで培われた協調性などが評価されるのはわかる。その点に異論はない。

 異論があるのは、体育会人間が、企業に入ってからもよく活躍するという点だ。もちろん、全員活躍するわけがなく、その比率が高いかどうかだと思う。私が新聞社に勤務した約21年間は全期間が報道現場、つまり記者だった。新聞記者は自分の所属する会社の記者だけでなく、他社の記者と時間を一緒に過ごすことが多い。その経験から、体育会人間に優秀な記者が多いという印象は全くと言っていいほどない。

 これは、新聞社だけでなく、他の業界、組織にも言えることだと思うのだが、大学の体育会出身者も、どこかの組織に就職すると、人生において、そこで過ごす時間の方がはるかに長くなるわけだ。組織にはそれぞれの色があって、長くいると、当然、その色に染まっていくことになる。良くも悪くも体育会色は変わっていく。

 ちなみに、私は体育会の体質が肌に合わない。しかし、仕事を通じて出会った尊敬に値する記者たちの中には、体育会出身者も複数いる。その人たちに共通するのは、日ごろ、体育会色は出ないし、ひけらかすようなこともない。

来月12日の米朝首脳会談中止 トランプ大統領が発表 世界に驚き
 トランプ米大統領は24日、来月12日にシンガポールで予定されていた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との史上初の米朝首脳会談を中止すると発表した。トランプ大統領は金委員長宛ての書簡で、中止を通告した。

 書簡の中で、トランプ大統領は「シンガポールで会うことを心待ちにしていたが、あなた方が最近の声明で示した大きな怒りと明らかな敵意をみる限り、今回の会談を行うことは残念ながら不適切であると考える」としている。

 これを受けて、トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に「北朝鮮と世界にとって大きな後退だ」と述べた。トランプ大統領は北朝鮮の非核化に向けて、引き続き最大限の圧力をかけていく方針だが、北朝鮮の出方次第で、首脳会談を再検討する余地も残している。

 北朝鮮の非核化をめぐり、北朝鮮が段階的な実施を求める一方、米国は一括した核放棄を主張しており、結局、米朝の隔たりは埋まらなかったようだ。

 米朝首脳会談は、相手とのディール、これまでの蓄積にとらわれない首脳外交を好む型破りなトランプ大統領だからこそ、実現可能になった側面は明らかにあった。しかし、今後の政権運営に大きな影響を与える11月の中間選挙に向けて実績がほしいトランプ大統領が、前のめりになっているとの見方も少なくなかった。会談中止は世界に驚きを与えたが、壮大な政治ショーに終わるくらいなら開催する必要は全くなく、中止は賢明な判断といえるだろう。

 北朝鮮の非核化、朝鮮半島情勢をめぐる急速な展開に、置き去り感が否めなかった安倍晋三首相、日本政府にとっては朗報かもしれない。



プロフィール

佐藤安律

Author:佐藤安律
(さとう・やすのり)
ジャーナリスト。1965年生まれ。大阪市立大学法学部卒。産経新聞記者として20年7カ月勤務し、政治部、夕刊フジ、大阪経済部などに所属。政治部では、厚相時代の小泉純一郎元首相、元自民党幹事長の野中広務氏らを担当した。産経新聞の年間連載「こども大変時代」で、取材班としてファイザー医学記事賞優秀賞を受賞。2011年8月からフリーランス。大阪市在住。得意分野は政治全般、日本映画、医療問題。原稿の依頼などコンタクトはyasunori7373@yahoo.co.jp

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