佐藤安律の「ニュースサイト1045」
元産経新聞記者で「炎のジャーナリスト」が、政治全般と映画(主に日本映画)を中心にマイオピニオンを発信します。あるべきブログの姿をめざして順次内容を刷新しています。2017年6月27日付で「佐藤安律の『映画と政治のブログ』」から名称を変更しました。
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「キューバの恋人」
 黒木和雄監督の「とべない沈黙」(1966年)に次ぐ劇映画第2弾は、キューバ革命10周年記念として、オール現地撮影の異色の内容となった。日本人の出演者は、主演の津川雅彦だけである。1969年の黒木プロダクション=キューバ国立映画芸術協会作品。大阪・九条のシネ・ヌーヴォで開催中の特集上映「没後十年 黒木和雄映画祭」で鑑賞した。

 津川扮する日本人青年の船員・アキラはキューバの首都ハバナの街を歩き回り、次々と女性に声をかけている。そんななかで、偶然見かけたひときわ美しいマルシア(ジュリー・プラセンシア)に一目ぼれする。アキラは積極的にアタックし、結婚して日本に一緒に行こうと提案する。

 マルシアは煙草工場で働く兵士で、チェ・ゲバラを尊敬し、ラテンアメリカ全体に革命を広げることに命を捧げる女性である。故郷に向かうマルシアを追って求愛の旅を続けるアキラだが、やがてマルシアの両親ら家族がキューバ革命によって打倒されたバチスタ前政権との闘争のなかで、殺されていたことを知る。マルシアもアキラを嫌いではないのだが、人生においてあくまで革命の闘争に加わることが全てであると、きっぱり別れを告げた。

 それでもアキラはマルシアのことを忘れられず、煙草工場を訪ねたが、マルシアはすでに工場を辞め、何かの戦いに志願して去った後だった。このラストの部分は画面の字幕のかなりの部分が消えてしまっていて、わからないところがあった。

 当時はベトナム戦争が行われており、南ベトナム民族解放戦線への連帯の意志を示す大集会、フィデル・カストロやゲバラの演説、キューバ革命の契機となったモンカダ兵営攻撃を記念するカーニバルなどの模様が随所に出てくる。また、ハバナ市民の日常生活の一端なども観られ、映像的にはとても貴重である。

 ストーリー的には、アキラとマルシアの出会いと別れのどこかの場面で特に盛り上がるわけでもなく、スケッチにとどまっている。ジャンルとしては明らかに劇映画だが、政治色が前面に出たドギュメンタリーの雰囲気も色濃く漂う作品だ。とにかく当時のキューバで現地撮影された日本とキューバの合作映画ということに意義がある。

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佐藤安律

Author:佐藤安律
(さとう・やすのり)
ジャーナリスト。1965年生まれ。大阪市立大学法学部卒。産経新聞記者として20年7カ月勤務し、政治部、夕刊フジ、大阪経済部などに所属。政治部では、厚相時代の小泉純一郎元首相、元自民党幹事長の野中広務氏らを担当した。産経新聞の年間連載「こども大変時代」で、取材班としてファイザー医学記事賞優秀賞を受賞。2011年8月からフリーランス。大阪市在住。得意分野は政治全般、日本映画、医療問題。原稿の依頼などコンタクトはyasunori7373@yahoo.co.jp

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