佐藤安律の「ニュースサイト1045」
元産経新聞記者で「炎のジャーナリスト」が、政治全般と映画(主に日本映画)を中心にマイオピニオンを発信します。あるべきブログの姿をめざして順次内容を刷新しています。2017年6月27日付で「佐藤安律の『映画と政治のブログ』」から名称を変更しました。
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「小島の春」
  国立ハンセン病療養所「長島愛生園」(岡山県)を拠点に、ハンセン病患者たちの救済・診療に生涯を捧げた女医・小川正子の手記を、豊田四郎監督が映画化した1940年の東京発声映画製作所作品である。映画では、主人公は「小山先生」となっており、夏川静江が演じた。キネマ旬報ベスト・テン第1位。京都文化博物館で開催中の特集上映「【日本映画120年記念企画】古典・名作映画ノススメ③」で鑑賞した。

 ハンセン病の患者や家族たちは、社会での差別や偏見を恐れ、この病気をひた隠し、愛生園への入園を拒むケースが少なくなかった。小山先生は誠意をもって患者や家族たちに接し、入園して正しい治療を受ける必要があることを説得していく。瀬戸内海の島々の美しい風景も印象に残る作品だ。

 昭和初期の日本映画界で、劇映画としてハンセン病患者と家族たちに対する差別、その孤独と苦悩を初めて取り上げたことの意義は大きい。一方、映画では、当時の医学的見解に基づき、ハンセン病は伝染病であり、特に子供たちにうつしてはいけないという点が強調される。後にこの見解は誤りで、国の強制隔離政策は差別や偏見を助長したと批判されていることはきちんと認識して鑑賞する必要がある。

 また高峰秀子が、この映画での杉村春子の演技に感銘を受けたと、著書「わたしの渡世日記(上)」(文春文庫)の中で述べていることはよく知られる。杉村は、村でハンセン病の症状が最も重い患者(菅井一郎)の妻役で出演している。高峰自身は映画には出演していない。

 しかし、高峰の記述では、杉村が患者役であるかのように書かれており、高峰が取り上げているシーンも観られなかった。杉村の名演に感動したことは確かだろうが、その内容については記憶違いがみられる。

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佐藤安律

Author:佐藤安律
(さとう・やすのり)
ジャーナリスト。1965年生まれ。大阪市立大学法学部卒。産経新聞記者として20年7カ月勤務し、政治部、夕刊フジ、大阪経済部などに所属。政治部では、厚相時代の小泉純一郎元首相、元自民党幹事長の野中広務氏らを担当した。産経新聞の年間連載「こども大変時代」で、取材班としてファイザー医学記事賞優秀賞を受賞。2011年8月からフリーランス。大阪市在住。得意分野は政治全般、日本映画、医療問題。原稿の依頼などコンタクトはyasunori7373@yahoo.co.jp

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