佐藤安律の「ニュースサイト1045」
元産経新聞記者で「炎のジャーナリスト」が、政治全般と映画(主に日本映画)を中心にマイオピニオンを発信します。あるべきブログの姿をめざして順次内容を刷新しています。2017年6月27日付で「佐藤安律の『映画と政治のブログ』」から名称を変更しました。
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「さびしんぼう」
 大林宣彦監督の故郷・尾道を舞台とした青春映画で、「尾道三部作」といわれるものの3作目。巨匠・黒澤明がこの映画を大変気に入ったことは有名で、大林監督の最高傑作として挙げられることも多い。1985年の作品で、製作は東宝映画=アミューズ・シネマ・シティ。キネマ旬報ベスト・テン第5位。同読者選出ベスト・テンでは第1位。大阪・九条のシネ・ヌーヴォで開催中の特集上映「大林宣彦映画祭」で鑑賞した。

 ごく平凡なお寺の跡取りになる1人息子の高校生・ヒロキ(尾美としのり)の淡い恋を通じて、このお寺に嫁いだ母(藤田弓子)との強い絆をユーモアたっぷりに切なく描き出した。ヒロキの前に突如、ピエロに似た格好をした妖精(富田靖子)が現れる。この妖精は、ヒロキと同じ16歳で、母の高校時代の生霊であることがわかってくる。ヒロキは近くの女子高生・百合子(富田が一人二役)に好意を抱き、この妖精はヒロキの恋を見守っていく。

 ヒロキは優等生でも、劣等生でもない普通の高校生だ。通信簿は「2」が多く、母からはいつも「勉強しろ」とうるさく言われている。ヒロキは学校の勉強以外に、もう一つ、母から言われて家で練習していることがある。それはピアノで、ショパンの「別れの曲」を弾いている。

 ヒロキはカメラが趣味で、ズームレンズをのぞいている時に、近くの女子高の教室で「別れの曲」を練習している百合子を見つけ、それ以来、曲に合わせていつも口ずさんでいた。この「別れの曲」が映画全体の扇の要の役割を果たす。全編を通じて流れる「別れの曲」の美しい旋律と尾道の風情が、ヒロキと妖精、ヒロキと百合子の交流を、詩情豊かに描き出す。

 ヒロキの母の高校時代の同級生(樹木希林)が娘(小林聡美)を連れて登場したシーン、ヒロキの祖母(浦辺粂子)がかるた遊びや豆まきに興じている時の可笑しさ、ヒロキが通う高校の校長室で飼育されているオウムを巡るPTA会長(入江若葉)との騒動など、笑いのレベルも最高だ。

 作品的にパーフェクトの出来だと思う。

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佐藤安律

Author:佐藤安律
(さとう・やすのり)
ジャーナリスト。1965年生まれ。大阪市立大学法学部卒。産経新聞記者として20年7カ月勤務し、政治部、夕刊フジ、大阪経済部などに所属。政治部では、厚相時代の小泉純一郎元首相、元自民党幹事長の野中広務氏らを担当した。産経新聞の年間連載「こども大変時代」で、取材班としてファイザー医学記事賞優秀賞を受賞。2011年8月からフリーランス。大阪市在住。得意分野は政治全般、日本映画、医療問題。原稿の依頼などコンタクトはyasunori7373@yahoo.co.jp

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