佐藤安律の「ニュースサイト1045」
元産経新聞記者で「炎のジャーナリスト」が、政治全般と映画(主に日本映画)を中心にマイオピニオンを発信します。あるべきブログの姿をめざして順次内容を刷新しています。2017年6月27日付で「佐藤安律の『映画と政治のブログ』」から名称を変更しました。
07 | 2018/08 | 09
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

新作星取表2018-3
【日本映画】
「犬猿」★★★★★
「今夜、ロマンス劇場で」★★★
「レオン」★
「羊の木」★★★★
「花は咲くか」★★
「blank13」★

【外国映画】
「マンハント」(中国)★★
「15時17分、パリ行き」(米)★★★★
「スリー・ビルボード」(英=米)★★★★★


【採点基準】
★★★★★  90点~100点
★★★★    80点~89点
★★★     60点~79点
★★       40点~59点
★         0点~39点


 第90回アカデミー賞で、作品賞など6部門に計7ノミネートされ、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)と助演男優賞(サム・ロックウェル)を獲得した「スリー・ビルボード」。このほかにも、ゴールデングローブ賞、ベネチア国際映画祭、トロント国際映画祭などで数々の賞に輝いたが、期待にたがわず、稀に見る傑作だった。マーティン・マクドナー監督。

 舞台は米中西部ミズーリ州の田舎町・エビング。レイプされたうえ焼死体で見つかるという悲惨な形で娘を失った母・ミルドレッド(マクドーマンド)は7カ月経っても、捜査が一向に進展しないことに強い不信感を持ち、地元警察のウィロビー署長(ウディ・ハレルソン)の責任を問う巨大広告看板3枚を町はずれの道路沿いに設置した。

 予備知識なく観たので、ミルドレッドの警察への痛快な復讐劇がメーンかと思ったが、ここから、ミルドレッドと、人格者で地域の住民たちから愛されているウィロビー署長、その部下で差別意識が強く、トラブルメーカーのディクソン巡査(ロックウェル)の人間ドラマが力強く展開され、物語は予想外の方向に進んでいく。なかでも、ミルドレッドが警察に対し過激な行動に出て、ディクソンがその巻き添えを食うところは映像的、ストーリー的に圧巻だ。ディクソンの心境、行動に変化が現れるところが注目だが、ロックウェルの演技は見事だった。

 「犬猿」は、吉田恵輔監督のオリジナル脚本による作品。外見や性格が全く違う2組のきょうだい(兄弟、姉妹)の複雑な愛憎、4人の交錯を斬新かつユーモラスに描いてみせた。

 印刷会社の営業マンとして真面目に働くイケメンの弟(窪田正孝)と、強盗罪で服役し、出所してきた乱暴者の兄(新井浩文)。父が病で倒れた後、小さな町の印刷工場を引き継ぎ、うまくやっているものの、ルックスにコンプレックスを持つ姉(江上敬子)と、仕事はできないが、ルックスはよく、タレントのまねごとのようなこともやっている妹(筧美和子)。

 4人のキャラクターとそのやりとりがユニークで、特に、新井のやくざな兄は秀逸。「男は勝負しないとな。俺はやるときはやる男だから」と危ない仕事に手を出し、急に羽振りがよくなるところは大いに笑える。オリジナル脚本にこだわる姿勢が鮮明な吉田監督だが、そのセンスはさすがだとうならされる出来栄えだった。


コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://toyokiyo73.blog.fc2.com/tb.php/708-5d76f16a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

佐藤安律

Author:佐藤安律
(さとう・やすのり)
ジャーナリスト。1965年生まれ。大阪市立大学法学部卒。産経新聞記者として20年7カ月勤務し、政治部、夕刊フジ、大阪経済部などに所属。政治部では、厚相時代の小泉純一郎元首相、元自民党幹事長の野中広務氏らを担当した。産経新聞の年間連載「こども大変時代」で、取材班としてファイザー医学記事賞優秀賞を受賞。2011年8月からフリーランス。大阪市在住。得意分野は政治全般、日本映画、医療問題。原稿の依頼などコンタクトはyasunori7373@yahoo.co.jp

最新記事

カテゴリ

月別アーカイブ

検索フォーム

最新トラックバック

フリーエリア

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR